松の一枚板 吸い付き桟

松の一枚板
松の

松の板が手に入りました。

古い板でよく乾燥しています。よい木目をした存在感のあるいい板です。幾つか使い道が浮かびます。

反り(そり)とねじれがあるのが難ですが、手を入れれば、使えそうです。

 

板は3枚。

反りとねじれを取るために、3枚重ねて保管した後、反り止めの吸い付き桟(すいつきざん)を入れることにしました。

 



吸い付き桟(すいつきざん)

吸い付き桟

下駄の刃のように見えるのが、吸い付き桟です。

板に溝を掘り、そこに桟を差し入れ、反ったり、ねじれたりしない様にします。

 

木は動きます。時間とともに反ったりねじれたりするのですが、吸い付き桟はそれを防ぐために先人が考えた技です。

金物は使わないで、木と木を組み合わせ加工します。

 

今回の桟は栂材(つがざい)。目にもよりますが、狂いが少なく、適度な硬さと強度があります。

狂うとは動くこと。狂いの少ない栂(つが)に動こうとする松を押さえてもらうという訳です。


吸い付き桟の加工

一枚板吸い付き桟 加工

板の狂いを直します。

反りとねじれの調整中

 

一枚板吸い付き桟 加工

工具で板に溝をついているところ。

 

一枚板吸い付き桟 加工

斜めに傾斜した溝。「あり加工」と言います。

 


一枚板吸い付き桟 加工

栂(つが)の桟を加工

 

一枚板吸い付き桟 加工

加工した桟を溝に差し込みます。

 

一枚板吸い付き桟 加工

木槌で叩いて差し込んでいきます。

 


吸い付き桟

板の木側(こば)から見たところ

吸い付き桟にも斜めに傾斜した「あり加工」を施しています。

斜めに加工しているので、桟が板から外れることがなく、板の反りが生じません。

 

吸い付き桟

上から見たところ

吸い付き桟がはいりました!